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論理的読解(人文系の文章)- 問題10

問題

次の文章を読み、設問1つ1つについてA・B・Cのいづれに当てはまるか答えなさい。

 現代社会において、「走る」という行為は単なる身体運動を超えた多層的な意味を持つようになっている。かつて走ることは生存のための必要不可欠な行為であったが、今日では健康維持、競技スポーツ、そして自己実現の手段として位置づけられている。特に都市部では、早朝や夕方の公園でジョギングを楽しむ人々の姿が日常的な光景となっており、この現象は現代人の身体性への回帰を象徴している。
 興味深いのは、走ることが個人的な体験でありながら、同時に社会的な意味を帯びることである。マラソン大会のような集団的イベントでは、参加者は個々の目標を追求しながらも、共同体の一員として連帯感を共有する。この二重性は、現代社会における個人と集団の関係性を考察する上で示唆に富んでいる。また、ランニングブームは消費文化とも密接に結びついており、専用のウェアやシューズ、アプリケーションなどの市場を形成している。
 さらに、走るという行為は時間と空間の体験を変容させる。走者は日常的な移動手段とは異なる速度で都市空間を移動し、普段は見過ごしがちな風景や季節の変化を身体的に感受する。この体験は、効率性や合理性を重視する現代生活に対する一種の抵抗として解釈することもできる。走ることによって、人々は機械的な時間から解放され、自然のリズムに身を委ねる瞬間を取り戻しているのかもしれない。
  • A. 本文から論理的に考えて、設問文は明らかに正しい。
  • B. 本文から論理的に考えて、設問文は明らかに間違っている。
  • C. 本文の内容だけからでは、設問文が正しいか間違っているかは判断できない。

設問

1. 現代において走ることは、健康維持や競技スポーツ、自己実現の手段として位置づけられている。
2. マラソン大会では参加者は個人的な目標のみを追求し、他者との連帯感は生まれない。
3. 走ることによって人々は機械的な時間から解放され、自然のリズムに身を委ねる瞬間を取り戻している。
4. ランニングブームは専用のウェアやシューズなどの新たな市場を形成している。
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author-icon編集者Yuka
2021年7月に入社し、CareerMineをはじめとする就活メディアの編集を手掛ける。 以前は広告代理店でメディアプランナーとして、広告やキャンペーンの企画を担当。 『玉手箱対策問題集』では掲載している記事のチェック、編集、ライター管理、コンテンツ制作などを行ってる。また自身もライターとして記事執筆も担当。
author-icon監修者gen
1990年生まれ。大学卒業後、東証一部上場のメーカーに入社。その後サイバーエージェントにて広告代理事業に従事。 現在はサイバーエージェントで培ったWEBマーケの知見を活かしつつ、CareerMineの責任者として就活生に役立つ情報を発信している。 また自身の経験を活かし、学生への就職アドバイスを行っている。延べ1,000人以上の学生と面談を行い、さまざまな企業への内定に導いている。
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