論理的読解（人文系の文章）- 問題25

問題

次の文章を読み、設問1つ1つについてA・B・Cのいづれに当てはまるか答えなさい。

　書物は人類の知識と文化を保存し、伝達する最も重要な媒体として、長い間文明の発展を支えてきた。古代から現代に至るまで、書物は単なる情報の記録装置を超えて、思考の形成と深化に決定的な役割を果たしている。特に、活字文化が確立された近世以降、書物は標準化された知識の体系化を可能にし、学問の発展と普及に貢献した。
　しかし、デジタル時代の到来により、書物の在り方は根本的な変容を迫られている。電子書籍やオンライン文書の普及は、情報へのアクセスを飛躍的に向上させた一方で、従来の書物が持っていた物理的な存在感や読書体験の質的変化をもたらしている。画面上の文字は瞬時に検索や編集が可能である反面、紙の書物が提供する触覚的な体験や集中的な読書環境とは異なる認知的影響を与える。
　さらに重要なのは、書物という媒体が思考様式そのものに与える影響である。線形的な文章構造を持つ書物は、論理的で体系的な思考の発達を促進してきた。一方、ハイパーテキストやマルチメディア要素を含むデジタル媒体は、非線形的で連想的な思考を誘発する傾向がある。このような媒体の変化は、単に情報伝達手段の変更にとどまらず、人間の認識能力や知的活動の根幹に関わる問題として捉える必要がある。
　現代において、書物の価値を再考することは、知識社会における人間の在り方を問い直すことでもある。デジタル化が進む中でも、書物が培ってきた深い思索と集中的な学習の文化をいかに継承し、発展させていくかが、今後の教育と文化の発展にとって重要な課題となっている。

A. 本文から論理的に考えて、設問文は明らかに正しい。
B. 本文から論理的に考えて、設問文は明らかに間違っている。
C. 本文の内容だけからでは、設問文が正しいか間違っているかは判断できない。

設問

1. 活字文化の確立は、学問の発展と普及に貢献した。

2. 電子書籍の普及は、従来の読書体験の質を向上させている。

3. ハイパーテキストは非線形的で連想的な思考を誘発する傾向がある。

4. デジタル化によって書物の文化的価値は完全に失われてしまう。

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編集者Yuka

2021年7月に入社し、CareerMineをはじめとする就活メディアの編集を手掛ける。以前は広告代理店でメディアプランナーとして、広告やキャンペーンの企画を担当。『玉手箱対策問題集』では掲載している記事のチェック、編集、ライター管理、コンテンツ制作などを行ってる。また自身もライターとして記事執筆も担当。

監修者gen

1990年生まれ。大学卒業後、東証一部上場のメーカーに入社。その後サイバーエージェントにて広告代理事業に従事。現在はサイバーエージェントで培ったWEBマーケの知見を活かしつつ、CareerMineの責任者として就活生に役立つ情報を発信している。また自身の経験を活かし、学生への就職アドバイスを行っている。延べ1,000人以上の学生と面談を行い、さまざまな企業への内定に導いている。

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