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論理的読解(人文系の文章)- 問題5

問題

次の文章を読み、設問1つ1つについてA・B・Cのいづれに当てはまるか答えなさい。

 道徳的な「善」という概念は、古代から現代に至るまで哲学者たちによって様々に論じられてきた。アリストテレスは善を「人間の本性に適った活動の完成」として捉え、それは個人の幸福と密接に結びついているとした。一方、カントは善を義務に基づく行為として定義し、結果ではなく動機の純粋性に価値を見出した。
 現代社会において、善の概念はより複雑な様相を呈している。グローバル化が進む中で、異なる文化的背景を持つ人々が共存する状況では、何が善であるかについての普遍的な基準を見つけることは困難である。ある文化では美徳とされる行為が、別の文化では問題視される場合もある。このような文化相対主義的な視点は、絶対的な善の存在そのものを疑問視する議論を生んでいる。
 しかし、人権や環境保護といった現代的課題においては、文化を超えた普遍的な善の必要性が強く主張されている。これらの領域では、個別の文化的価値観を超えて、人類全体の福祉を考慮した倫理的判断が求められる。現代の善の概念は、個人の幸福と社会全体の調和、そして地球規模の持続可能性という多層的な視点から再構築される必要があるのである。
  • A. 本文から論理的に考えて、設問文は明らかに正しい。
  • B. 本文から論理的に考えて、設問文は明らかに間違っている。
  • C. 本文の内容だけからでは、設問文が正しいか間違っているかは判断できない。

設問

1. アリストテレスとカントは、善の概念について全く異なる視点を提示している。
2. 現代社会では文化の多様性により、普遍的な善の基準を確立することが困難になっている。
3. 人権や環境保護の分野では、文化を超えた普遍的な善の概念が必要とされている。
4. 現代の善の概念は、主に経済的利益と個人の自由を重視する方向で発展している。
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author-icon編集者Yuka
2021年7月に入社し、CareerMineをはじめとする就活メディアの編集を手掛ける。 以前は広告代理店でメディアプランナーとして、広告やキャンペーンの企画を担当。 『玉手箱対策問題集』では掲載している記事のチェック、編集、ライター管理、コンテンツ制作などを行ってる。また自身もライターとして記事執筆も担当。
author-icon監修者gen
1990年生まれ。大学卒業後、東証一部上場のメーカーに入社。その後サイバーエージェントにて広告代理事業に従事。 現在はサイバーエージェントで培ったWEBマーケの知見を活かしつつ、CareerMineの責任者として就活生に役立つ情報を発信している。 また自身の経験を活かし、学生への就職アドバイスを行っている。延べ1,000人以上の学生と面談を行い、さまざまな企業への内定に導いている。
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