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論理的読解(人文系の文章)- 問題101

問題

次の文章を読み、設問1つ1つについてA・B・Cのいづれに当てはまるか答えなさい。

 「人間」という概念は、古来より哲学者たちによって様々な角度から考察されてきた。アリストテレスは人間を「理性的動物」と定義し、理性こそが人間を他の動物から区別する本質的特徴であると論じた。一方で、近世の哲学者パスカルは「人間は考える葦である」という有名な言葉で、人間の物理的な脆弱性と精神的な偉大さの対比を表現した。
 現代において、この人間観は大きく揺らいでいる。科学技術の発達により、人工知能が人間の知的活動を模倣し、時には凌駕するようになった今、「理性」だけでは人間の特殊性を説明することが困難になってきている。また、環境問題や生命倫理の観点から、人間中心主義的な思考そのものが問い直されている。
 こうした状況下で注目されているのが、人間の「関係性」に着目した新しい人間観である。人間は単独で存在する個体ではなく、他者との相互作用の中で自己を形成し、意味を見出す存在であるという視点だ。言語学者のバフチンが提唱した「対話性」の概念や、現象学者メルロ=ポンティの「間主観性」の思想は、こうした関係論的人間観の基盤となっている。
 この関係性重視の人間観は、デジタル社会における人間のあり方を考える上でも重要な示唆を与える。SNSやオンラインコミュニティが発達した現代において、人間のアイデンティティ形成や社会的結束のメカニズムは従来とは大きく異なるものになっている。人間とは何かという根本的な問いに対する答えは、時代と共に変化し続けているのである。
  • A. 本文から論理的に考えて、設問文は明らかに正しい。
  • B. 本文から論理的に考えて、設問文は明らかに間違っている。
  • C. 本文の内容だけからでは、設問文が正しいか間違っているかは判断できない。

設問

1. アリストテレスは人間を「理性的動物」と定義し、理性を人間の本質的特徴として位置づけた。
2. 人工知能の発達により、理性だけでは人間の特殊性を説明することが容易になった。
3. バフチンの「対話性」概念は関係論的人間観の基盤となっている。
4. SNSの普及により、現代人の孤独感は以前よりも深刻化している。
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author-icon編集者Yuka
2021年7月に入社し、CareerMineをはじめとする就活メディアの編集を手掛ける。 以前は広告代理店でメディアプランナーとして、広告やキャンペーンの企画を担当。 『玉手箱対策問題集』では掲載している記事のチェック、編集、ライター管理、コンテンツ制作などを行ってる。また自身もライターとして記事執筆も担当。
author-icon監修者gen
1990年生まれ。大学卒業後、東証一部上場のメーカーに入社。その後サイバーエージェントにて広告代理事業に従事。 現在はサイバーエージェントで培ったWEBマーケの知見を活かしつつ、CareerMineの責任者として就活生に役立つ情報を発信している。 また自身の経験を活かし、学生への就職アドバイスを行っている。延べ1,000人以上の学生と面談を行い、さまざまな企業への内定に導いている。
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