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論理的読解(人文系の文章)- 問題19

問題

次の文章を読み、設問1つ1つについてA・B・Cのいづれに当てはまるか答えなさい。

 文字の発明は人類史における最も重要な転換点の一つである。音声言語が時間と空間の制約を受けるのに対し、文字は情報を永続的に保存し、遠隔地への伝達を可能にした。特に「書」という行為は、単なる記録手段を超えて、思考の外在化と深化の過程でもある。書くことによって、人間は自らの思考を客観視し、より複雑で抽象的な概念を構築できるようになった。
 しかし、文字文化の発達は同時に新たな問題も生み出した。口承文化においては、語り手と聞き手の間に直接的な関係があり、文脈や感情が豊かに伝達されていた。文字による記録は確実性をもたらす一方で、この生き生きとした交流を失わせる側面もある。プラトンが『パイドロス』で文字に対して示した懸念は、記憶力の衰退と真の知識の形骸化への危惧であった。
 現代のデジタル化の進展により、「書く」という行為そのものが変容している。手書きからタイピングへの移行は、思考のリズムや記憶への定着に影響を与えているとされる。また、ハイパーテキストやマルチメディアの登場により、線形的な文章構造も変化しつつある。このような変化の中で、書字文化が人間の認知能力や社会構造に与える影響を再考する必要がある。
  • A. 本文から論理的に考えて、設問文は明らかに正しい。
  • B. 本文から論理的に考えて、設問文は明らかに間違っている。
  • C. 本文の内容だけからでは、設問文が正しいか間違っているかは判断できない。

設問

1. 文字の発明により、人間は思考を客観視し、より複雑で抽象的な概念を構築できるようになった。
2. プラトンは『パイドロス』において、文字文化の発達を全面的に肯定的に評価していた。
3. ハイパーテキストの登場により、従来の線形的な文章構造が変化しつつある。
4. 手書きからタイピングへの移行は、創造性の向上に直接的に寄与している。
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author-icon編集者Yuka
2021年7月に入社し、CareerMineをはじめとする就活メディアの編集を手掛ける。 以前は広告代理店でメディアプランナーとして、広告やキャンペーンの企画を担当。 『玉手箱対策問題集』では掲載している記事のチェック、編集、ライター管理、コンテンツ制作などを行ってる。また自身もライターとして記事執筆も担当。
author-icon監修者gen
1990年生まれ。大学卒業後、東証一部上場のメーカーに入社。その後サイバーエージェントにて広告代理事業に従事。 現在はサイバーエージェントで培ったWEBマーケの知見を活かしつつ、CareerMineの責任者として就活生に役立つ情報を発信している。 また自身の経験を活かし、学生への就職アドバイスを行っている。延べ1,000人以上の学生と面談を行い、さまざまな企業への内定に導いている。
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