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論理的読解(人文系の文章)- 問題50

問題

次の文章を読み、設問1つ1つについてA・B・Cのいづれに当てはまるか答えなさい。

 「善」という概念は、古来より哲学の中心的な問題の一つとして議論されてきた。古代ギリシャのプラトンは、善のイデアを最高の理念として位置づけ、それは知識と存在の根源であると考えた。一方、アリストテレスは善を人間の本性に根ざした実践的な徳として捉え、幸福な生活の実現と密接に関連づけた。
 近世に入ると、カントは善悪の判断を理性に基づく道徳法則に求めた。彼にとって善とは、普遍的な道徳法則に従う意志の在り方であり、結果ではなく動機の純粋性が重要であった。これに対してベンサムやミルらの功利主義者は、行為の結果がもたらす幸福の総量によって善悪を判断すべきだと主張した。
 現代においては、善の概念はより複雑な様相を呈している。文化相対主義の台頭により、善悪の基準は文化や社会によって異なるという見方が広まった。また、環境倫理学の発展に伴い、人間中心的な善の概念を超えて、自然や将来世代への責任を含む新たな善の理念が模索されている。このように善の概念は、時代とともに変化し続ける動的な概念として理解される必要がある。
  • A. 本文から論理的に考えて、設問文は明らかに正しい。
  • B. 本文から論理的に考えて、設問文は明らかに間違っている。
  • C. 本文の内容だけからでは、設問文が正しいか間違っているかは判断できない。

設問

1. プラトンは善のイデアを最高の理念として位置づけ、それが知識と存在の根源であると考えていた。
2. カントは善悪の判断において、行為の結果よりも動機の純粋性を重視していた。
3. 功利主義者は動機の純粋性よりも行為の結果を重視して善悪を判断すべきだと主張した。
4. 現代の環境倫理学は人間中心的な善の概念を完全に否定している。
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author-icon編集者Yuka
2021年7月に入社し、CareerMineをはじめとする就活メディアの編集を手掛ける。 以前は広告代理店でメディアプランナーとして、広告やキャンペーンの企画を担当。 『玉手箱対策問題集』では掲載している記事のチェック、編集、ライター管理、コンテンツ制作などを行ってる。また自身もライターとして記事執筆も担当。
author-icon監修者gen
1990年生まれ。大学卒業後、東証一部上場のメーカーに入社。その後サイバーエージェントにて広告代理事業に従事。 現在はサイバーエージェントで培ったWEBマーケの知見を活かしつつ、CareerMineの責任者として就活生に役立つ情報を発信している。 また自身の経験を活かし、学生への就職アドバイスを行っている。延べ1,000人以上の学生と面談を行い、さまざまな企業への内定に導いている。
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