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論理的読解(人文系の文章)- 問題75

問題

次の文章を読み、設問1つ1つについてA・B・Cのいづれに当てはまるか答えなさい。

 美の概念は、古来より人類が探究し続けてきた普遍的なテーマである。古代ギリシアでは、プラトンが美を真理や善と並ぶ最高の理念として位置づけ、美しいものは真理の反映であると考えた。一方、アリストテレスは美を調和と秩序の産物として捉え、より経験的な視点から美を論じた。
 しかし、美の基準は時代や文化によって大きく変化してきた。中世ヨーロッパでは、神への信仰と結びついた精神的な美が重視され、装飾的で象徴的な表現が好まれた。ルネサンス期には古典古代への回帰とともに、人間の理性と調和を基調とした美的理想が復活した。近代に入ると、カントが『判断力批判』において美的判断の主観性を論じ、美は個人の感性に依存するものであることを明らかにした。
 現代においては、美の概念はさらに多様化している。大衆文化の発達により、エリート文化が独占してきた美の基準は相対化され、個人の価値観や文化的背景による多元的な美の在り方が認められるようになった。また、デジタル技術の進歩は新たな美的表現の可能性を生み出し、従来の芸術の枠組みを超えた創作活動が展開されている。
 このように美の概念の変遷を辿ると、美とは固定的な基準ではなく、時代精神や社会的文脈と密接に関わりながら変化し続ける動的な概念であることが理解できる。美を理解することは、その時代の人々の価値観や世界観を理解することにほかならないのである。
  • A. 本文から論理的に考えて、設問文は明らかに正しい。
  • B. 本文から論理的に考えて、設問文は明らかに間違っている。
  • C. 本文の内容だけからでは、設問文が正しいか間違っているかは判断できない。

設問

1. プラトンは美を真理や善と並ぶ最高の理念として位置づけ、美しいものは真理の反映であると考えた。
2. カントは美的判断が客観的な基準に基づくものであることを『判断力批判』で論証した。
3. 現代では大衆文化の発達により、美の基準が多元化し、個人の価値観による多様な美の在り方が認められている。
4. デジタル技術の進歩によって生まれた新しい美的表現は、従来の芸術よりも芸術的価値が高いと評価されている。
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author-icon編集者Yuka
2021年7月に入社し、CareerMineをはじめとする就活メディアの編集を手掛ける。 以前は広告代理店でメディアプランナーとして、広告やキャンペーンの企画を担当。 『玉手箱対策問題集』では掲載している記事のチェック、編集、ライター管理、コンテンツ制作などを行ってる。また自身もライターとして記事執筆も担当。
author-icon監修者gen
1990年生まれ。大学卒業後、東証一部上場のメーカーに入社。その後サイバーエージェントにて広告代理事業に従事。 現在はサイバーエージェントで培ったWEBマーケの知見を活かしつつ、CareerMineの責任者として就活生に役立つ情報を発信している。 また自身の経験を活かし、学生への就職アドバイスを行っている。延べ1,000人以上の学生と面談を行い、さまざまな企業への内定に導いている。
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