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論理的読解(人文系の文章)- 問題74

問題

次の文章を読み、設問1つ1つについてA・B・Cのいづれに当てはまるか答えなさい。

 現代社会において、私たちは日々膨大な「もの」に囲まれて生活している。しかし、この「もの」という概念は、単に物質的な対象を指すだけではない。哲学的な視点から見ると、「もの」は人間の認識や存在のあり方と密接に関わる複雑な概念である。
 ハイデガーは「もの」を、単なる物質的存在ではなく、人間との関係性の中で意味を持つ存在として捉えた。例えば、一つの茶碗は、単なる陶器の器ではなく、茶を飲むという行為、茶道という文化、そして人と人との関係性を媒介する存在として機能する。つまり、「もの」は人間の生活世界の中で、その固有の意味と価値を獲得するのである。
 さらに、現代の消費社会では、「もの」の意味はより複雑化している。商品として流通する「もの」は、使用価値だけでなく、記号的な価値や象徴的な意味を帯びるようになった。ブランド品が単なる実用品を超えて社会的地位の表象となったり、限定品が希少性という付加価値を持ったりするのは、その典型例である。
 このように、「もの」という概念は、物質性と精神性、実用性と象徴性を併せ持つ、人間存在の根本に関わる哲学的テーマなのである。私たちは「もの」を通して世界を理解し、自己を表現し、他者と関係を築いているのである。
  • A. 本文から論理的に考えて、設問文は明らかに正しい。
  • B. 本文から論理的に考えて、設問文は明らかに間違っている。
  • C. 本文の内容だけからでは、設問文が正しいか間違っているかは判断できない。

設問

1. ハイデガーによれば、茶碗は茶道という文化や人間関係を媒介する存在として機能する。
2. 現代の消費社会では、商品は使用価値のみを持ち、象徴的な意味は持たない。
3. ブランド品が社会的地位の表象となることは、商品の記号的価値の具体例である。
4. 日本の伝統工芸品は、西洋の工業製品よりも哲学的な意味を多く含んでいる。
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author-icon編集者Yuka
2021年7月に入社し、CareerMineをはじめとする就活メディアの編集を手掛ける。 以前は広告代理店でメディアプランナーとして、広告やキャンペーンの企画を担当。 『玉手箱対策問題集』では掲載している記事のチェック、編集、ライター管理、コンテンツ制作などを行ってる。また自身もライターとして記事執筆も担当。
author-icon監修者gen
1990年生まれ。大学卒業後、東証一部上場のメーカーに入社。その後サイバーエージェントにて広告代理事業に従事。 現在はサイバーエージェントで培ったWEBマーケの知見を活かしつつ、CareerMineの責任者として就活生に役立つ情報を発信している。 また自身の経験を活かし、学生への就職アドバイスを行っている。延べ1,000人以上の学生と面談を行い、さまざまな企業への内定に導いている。
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