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論理的読解(人文系の文章)- 問題21

問題

次の文章を読み、設問1つ1つについてA・B・Cのいづれに当てはまるか答えなさい。

 「和」という概念は、日本文化の根幹をなす重要な価値観として長い間位置づけられてきた。この「和」は単なる平和や調和を意味するにとどまらず、集団の中で個人が自己を抑制し、全体の利益を優先する社会的な規範として機能してきた。聖徳太子の十七条憲法において「和を以て貴しと為す」と謳われたように、古代から日本社会の理想とされ、現代に至るまでその影響力を保持している。
 しかし、現代社会において「和」の概念は新たな課題に直面している。グローバル化の進展により、多様な価値観や文化的背景を持つ人々との共存が求められる中で、従来の「和」が持つ同質性への志向は、時として排他的な性格を露呈することがある。また、個人の自立性や創造性が重視される現代において、集団への過度な同調を求める「和」の在り方は、個人の可能性を制限する要因ともなりうる。
 このような状況を受けて、現代の日本社会では「和」の概念を再定義する試みが見られる。従来の同質的な調和から、異質なものを包含しながらも全体としてバランスを保つ「多様性の中の調和」へと、その意味内容を拡張しようとする動きである。これは単なる伝統的価値観の放棄ではなく、時代の要請に応じた「和」の進化と捉えることができるだろう。
  • A. 本文から論理的に考えて、設問文は明らかに正しい。
  • B. 本文から論理的に考えて、設問文は明らかに間違っている。
  • C. 本文の内容だけからでは、設問文が正しいか間違っているかは判断できない。

設問

1. 聖徳太子の十七条憲法において「和」の重要性が強調されており、これが現代日本社会にまで影響を与え続けている。
2. 現代日本社会では、グローバル化の影響により従来の「和」の概念が完全に否定され、新しい価値観に置き換えられている。
3. 現代社会において「和」の概念は、個人の創造性を制限する要因となる可能性がある。
4. 「多様性の中の調和」という新しい「和」の概念は、欧米諸国の社会制度を参考にして形成されたものである。
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author-icon編集者Yuka
2021年7月に入社し、CareerMineをはじめとする就活メディアの編集を手掛ける。 以前は広告代理店でメディアプランナーとして、広告やキャンペーンの企画を担当。 『玉手箱対策問題集』では掲載している記事のチェック、編集、ライター管理、コンテンツ制作などを行ってる。また自身もライターとして記事執筆も担当。
author-icon監修者gen
1990年生まれ。大学卒業後、東証一部上場のメーカーに入社。その後サイバーエージェントにて広告代理事業に従事。 現在はサイバーエージェントで培ったWEBマーケの知見を活かしつつ、CareerMineの責任者として就活生に役立つ情報を発信している。 また自身の経験を活かし、学生への就職アドバイスを行っている。延べ1,000人以上の学生と面談を行い、さまざまな企業への内定に導いている。
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