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論理的読解(自然科学系の文章)- 問題37

問題

次の文章を読み、設問1つ1つについてA・B・Cのいづれに当てはまるか答えなさい。

 人間の心の働きを科学的に解明する神経科学の分野において、脳と心の関係は長年の研究テーマである。脳は約千億個の神経細胞(ニューロン)から構成され、これらが複雑なネットワークを形成している。神経細胞同士は電気信号と化学物質(神経伝達物質)によって情報を伝達し、この過程で記憶、感情、判断などの心の働きが生まれると考えられている。
 特に重要なのは、前頭前野と呼ばれる脳の前部領域である。この部位は高次認知機能を司り、論理的思考、意思決定、感情制御などに深く関わっている。また、海馬は記憶の形成と保存において中心的な役割を果たし、扁桃体は恐怖や不安などの感情処理に関与している。これらの脳領域が協調して働くことで、複雑な心の働きが実現されている。
 近年の脳画像技術の発達により、生きている人間の脳活動をリアルタイムで観察することが可能になった。fMRI(機能的磁気共鳴画像法)やPET(陽電子放射断層撮影)などの技術を用いることで、特定の心理的活動時に活性化する脳領域を特定できるようになった。これにより、思考や感情といった主観的な心の働きを客観的な脳活動として測定し、科学的に分析することが可能となっている。
 しかし、脳活動と心の働きの関係は完全には解明されていない。意識の発生メカニズムや、なぜ物理的な脳活動から主観的な体験が生まれるのかという「意識のハードプロブレム」と呼ばれる問題は、現代科学の大きな課題として残されている。
  • A. 本文から論理的に考えて、設問文は明らかに正しい。
  • B. 本文から論理的に考えて、設問文は明らかに間違っている。
  • C. 本文の内容だけからでは、設問文が正しいか間違っているかは判断できない。

設問

1. 前頭前野は高次認知機能を司り、論理的思考や意思決定に関わっている。
2. 海馬は感情処理に関与し、扁桃体は記憶の形成と保存を担っている。
3. fMRIやPET技術により、特定の心理的活動時に活性化する脳領域を特定できるようになった。
4. 意識のハードプロブレムは既に完全に解決されており、心の働きのメカニズムは全て解明されている。
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author-icon編集者Yuka
2021年7月に入社し、CareerMineをはじめとする就活メディアの編集を手掛ける。 以前は広告代理店でメディアプランナーとして、広告やキャンペーンの企画を担当。 『玉手箱対策問題集』では掲載している記事のチェック、編集、ライター管理、コンテンツ制作などを行ってる。また自身もライターとして記事執筆も担当。
author-icon監修者gen
1990年生まれ。大学卒業後、東証一部上場のメーカーに入社。その後サイバーエージェントにて広告代理事業に従事。 現在はサイバーエージェントで培ったWEBマーケの知見を活かしつつ、CareerMineの責任者として就活生に役立つ情報を発信している。 また自身の経験を活かし、学生への就職アドバイスを行っている。延べ1,000人以上の学生と面談を行い、さまざまな企業への内定に導いている。
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