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論理的読解(人文系の文章)- 問題17

問題

次の文章を読み、設問1つ1つについてA・B・Cのいづれに当てはまるか答えなさい。

 現代社会において、「終わり」という概念は複雑な意味を持つようになっている。かつて人々は、物語や人生に明確な始まりと終わりがあることを当然のこととして受け入れていた。しかし、デジタル技術の発達により、この伝統的な終わりの概念は大きく変容している。
 インターネット上では、情報は永続的に保存され、検索可能な状態で存在し続ける。SNSでの投稿、電子メール、デジタル写真など、私たちの日常の記録は消去されることなく蓄積されていく。この現象は、従来の「忘却」という自然な終わりのプロセスを阻害している。人間の記憶は時間とともに薄れ、やがて忘れられることで心理的な区切りをつけてきたが、デジタル記録は完全な形で残り続ける。
 さらに、現代の物語や娯楽作品においても、終わりの概念は曖昧になっている。映画やドラマのシリーズ化、続編の制作、リメイクの繰り返しにより、一つの作品が真の意味で「完結」することは稀になった。視聴者は常に次の展開を期待し、制作者側もその需要に応えるために物語を延長し続ける。
 このような状況は、人々の心理的な区切りや節目の感覚にも影響を与えている。明確な終わりがない状況では、新しい始まりを意識することも困難になる。終わりと始まりの循環によって成り立っていた従来の人生観や価値観は、根本的な見直しを迫られているのである。
  • A. 本文から論理的に考えて、設問文は明らかに正しい。
  • B. 本文から論理的に考えて、設問文は明らかに間違っている。
  • C. 本文の内容だけからでは、設問文が正しいか間違っているかは判断できない。

設問

1. デジタル技術の発達により、情報が永続的に保存されることで、人間の自然な忘却プロセスが阻害されている。
2. 現代の娯楽作品では、シリーズ化や続編制作により、作品が真の意味で完結することが一般的になっている。
3. デジタル記録の永続性は、個人のプライバシー保護にとって深刻な脅威となっている。
4. 明確な終わりがない状況では、人々が新しい始まりを意識することが困難になると本文では指摘されている。
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author-icon編集者Yuka
2021年7月に入社し、CareerMineをはじめとする就活メディアの編集を手掛ける。 以前は広告代理店でメディアプランナーとして、広告やキャンペーンの企画を担当。 『玉手箱対策問題集』では掲載している記事のチェック、編集、ライター管理、コンテンツ制作などを行ってる。また自身もライターとして記事執筆も担当。
author-icon監修者gen
1990年生まれ。大学卒業後、東証一部上場のメーカーに入社。その後サイバーエージェントにて広告代理事業に従事。 現在はサイバーエージェントで培ったWEBマーケの知見を活かしつつ、CareerMineの責任者として就活生に役立つ情報を発信している。 また自身の経験を活かし、学生への就職アドバイスを行っている。延べ1,000人以上の学生と面談を行い、さまざまな企業への内定に導いている。
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