tamatebakoロゴ玉手箱対策問題集

論理的読解(人文系の文章)- 問題51

問題

次の文章を読み、設問1つ1つについてA・B・Cのいづれに当てはまるか答えなさい。

 現代社会において、「見る」という行為は単なる視覚的体験を超えた複層的な意味を持っている。私たちは日々、無数の視覚情報に囲まれ、それらを選択的に認識し、解釈している。この過程で重要なのは、見ることが決して受動的な行為ではなく、むしろ能動的な意味構築の営みであるという点である。
 哲学者メルロ=ポンティは、見ることを身体的な経験として捉え、主体と世界との相互作用の中で成立するものと論じた。彼によれば、私たちは単に対象を眺めるのではなく、自らの身体を通して世界に関与し、その関与の中で意味を発見していく。このような視点は、従来の主客二元論的な認識論を根本的に問い直すものである。
 また、現代のメディア社会では、「見ること」の政治性も重要な問題となっている。映像メディアやインターネットを通じて流通する視覚情報は、しばしば特定の価値観や権力関係を内包しており、受容者の世界認識に大きな影響を与える。私たちは見ることを通じて社会的現実を構築しているが、同時にその現実によって私たちの見方も規定されているのである。
 このように、見ることは個人的な体験であると同時に、文化的・社会的な文脈に深く根ざした行為でもある。現代において求められるのは、このような見ることの複雑性を理解し、批判的な視点を養うことである。
  • A. 本文から論理的に考えて、設問文は明らかに正しい。
  • B. 本文から論理的に考えて、設問文は明らかに間違っている。
  • C. 本文の内容だけからでは、設問文が正しいか間違っているかは判断できない。

設問

1. メルロ=ポンティは、見ることを身体的な経験として捉え、主体と世界との相互作用の中で成立するものと論じている。
2. 現代社会において、見ることは完全に受動的な行為であり、主体的な意味構築とは無関係である。
3. 映像メディアやインターネットを通じて流通する視覚情報は、特定の価値観や権力関係を内包している。
4. メルロ=ポンティの哲学は、デカルトの心身二元論を発展させたものである。
模試バナー

論理的読解の他の問題

author-icon編集者Yuka
2021年7月に入社し、CareerMineをはじめとする就活メディアの編集を手掛ける。 以前は広告代理店でメディアプランナーとして、広告やキャンペーンの企画を担当。 『玉手箱対策問題集』では掲載している記事のチェック、編集、ライター管理、コンテンツ制作などを行ってる。また自身もライターとして記事執筆も担当。
author-icon監修者gen
1990年生まれ。大学卒業後、東証一部上場のメーカーに入社。その後サイバーエージェントにて広告代理事業に従事。 現在はサイバーエージェントで培ったWEBマーケの知見を活かしつつ、CareerMineの責任者として就活生に役立つ情報を発信している。 また自身の経験を活かし、学生への就職アドバイスを行っている。延べ1,000人以上の学生と面談を行い、さまざまな企業への内定に導いている。
> メッセージを読む