論理的読解（人文系の文章）- 問題28

問題

次の文章を読み、設問1つ1つについてA・B・Cのいづれに当てはまるか答えなさい。

　現代社会において、「古い」ものに対する評価は複雑な様相を呈している。一方では、古典文学や伝統芸能、歴史的建造物などが文化遺産として高く評価され、保護・継承の対象とされている。他方では、古い制度や慣習、価値観は時代遅れとして批判され、改革や刷新の対象とみなされることが多い。
　この二面性は、「古さ」という概念が本質的に価値中立的であることを示している。古いものが価値を持つかどうかは、それが現代にとってどのような意味を持つかによって決まる。例えば、古典文学は時代を超えた普遍的な人間性を描いているからこそ現代でも読み継がれているのであり、単に古いから価値があるわけではない。
　しかし、現代社会では新しいものを無条件に良いものとする「新しさ至上主義」的な傾向も見られる。技術革新やライフスタイルの変化が急速に進む中で、古いものは非効率で時代に適応できないものとして一律に否定されがちである。このような思考は、伝統的な知恵や経験の蓄積を軽視し、文化の断絶を招く危険性をはらんでいる。
　真に重要なのは、古いものと新しいものを対立的に捉えるのではなく、それぞれの価値を適切に評価し、現代社会の課題解決に活かしていく姿勢である。古い知恵と新しい技術の融合こそが、持続可能な社会の発展につながるのではないだろうか。

A. 本文から論理的に考えて、設問文は明らかに正しい。
B. 本文から論理的に考えて、設問文は明らかに間違っている。
C. 本文の内容だけからでは、設問文が正しいか間違っているかは判断できない。

設問

1. 現代社会では、古典文学や伝統芸能などの文化遺産が一律に時代遅れとして批判されている。

2. 古いものの価値は、それが現代にとってどのような意味を持つかによって決まる。

3. 現代社会の「新しさ至上主義」的傾向は、主に若い世代によって推進されている。

4. 筆者は、古いものと新しいものを統合的に活用することが重要だと主張している。

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編集者Yuka

2021年7月に入社し、CareerMineをはじめとする就活メディアの編集を手掛ける。以前は広告代理店でメディアプランナーとして、広告やキャンペーンの企画を担当。『玉手箱対策問題集』では掲載している記事のチェック、編集、ライター管理、コンテンツ制作などを行ってる。また自身もライターとして記事執筆も担当。

監修者gen

1990年生まれ。大学卒業後、東証一部上場のメーカーに入社。その後サイバーエージェントにて広告代理事業に従事。現在はサイバーエージェントで培ったWEBマーケの知見を活かしつつ、CareerMineの責任者として就活生に役立つ情報を発信している。また自身の経験を活かし、学生への就職アドバイスを行っている。延べ1,000人以上の学生と面談を行い、さまざまな企業への内定に導いている。

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