論理的読解（自然科学系の文章）- 問題61

問題

次の文章を読み、設問1つ1つについてA・B・Cのいづれに当てはまるか答えなさい。

　雲は、大気中の水蒸気が冷却されて凝結し、微細な水滴や氷の結晶が集まって形成される現象である。雲の形成には、気温の低下、湿度の上昇、そして凝結核と呼ばれる微粒子の存在が不可欠である。凝結核には、海塩粒子、花粉、砂塵、大気汚染物質などが含まれ、これらの周りに水蒸気が凝結することで雲粒が生まれる。
　雲の種類は高度によって大きく分類される。対流圏下層（地上から約2キロメートル）に形成される低い雲には、層雲や霧雲がある。中層（2〜7キロメートル）には高層雲や高積雲が、上層（7〜13キロメートル）には巻雲、巻積雲、巻層雲が分布する。特に巻雲は氷の結晶からなり、繊維状の美しい形状を示すことで知られている。
　雲の形成過程において重要な役割を果たすのが断熱冷却である。空気塊が上昇すると、大気圧の低下に伴って膨張し、温度が下降する。この現象により、飽和水蒸気量が減少し、余剰な水蒸気が凝結して雲が生成される。逆に、空気塊が下降すると圧縮されて温度が上昇し、雲は蒸発して消失する傾向にある。
　現代の気象学では、雲の観測に人工衛星やレーダーが活用されている。これらの技術により、雲の分布、移動速度、内部構造を詳細に分析することが可能となり、天気予報の精度向上に大きく貢献している。また、雲は地球の放射収支にも影響を与え、太陽光の反射と地表からの赤外線の吸収という相反する効果を持つため、気候変動研究においても重要な研究対象となっている。

A. 本文から論理的に考えて、設問文は明らかに正しい。
B. 本文から論理的に考えて、設問文は明らかに間違っている。
C. 本文の内容だけからでは、設問文が正しいか間違っているかは判断できない。

設問

1. 雲の形成には水蒸気の冷却による凝結と凝結核の存在が必要である。

2. 巻雲は対流圏の中層に形成され、水滴から構成されている。

3. 空気塊が上昇すると断熱冷却により温度が下降し、雲が形成される。

4. 雲は地球温暖化を促進する効果のみを持っている。

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編集者Yuka

2021年7月に入社し、CareerMineをはじめとする就活メディアの編集を手掛ける。以前は広告代理店でメディアプランナーとして、広告やキャンペーンの企画を担当。『玉手箱対策問題集』では掲載している記事のチェック、編集、ライター管理、コンテンツ制作などを行ってる。また自身もライターとして記事執筆も担当。

監修者gen

1990年生まれ。大学卒業後、東証一部上場のメーカーに入社。その後サイバーエージェントにて広告代理事業に従事。現在はサイバーエージェントで培ったWEBマーケの知見を活かしつつ、CareerMineの責任者として就活生に役立つ情報を発信している。また自身の経験を活かし、学生への就職アドバイスを行っている。延べ1,000人以上の学生と面談を行い、さまざまな企業への内定に導いている。

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