論理的読解（人文系の文章）- 問題44

問題

次の文章を読み、設問1つ1つについてA・B・Cのいづれに当てはまるか答えなさい。

　文字とは、人類が獲得した最も重要な文化的発明の一つである。音声言語が時間的に流動し消失するのに対し、文字は空間に固定され、時を超えて情報を保存することを可能にした。この特性により、知識の蓄積と伝承が飛躍的に発展し、文明の基盤が築かれたのである。
　しかし、文字の発明は単なる記録手段の獲得以上の意味を持つ。文字化という行為は、流動的な思考を静的な形に変換する過程であり、この変換によって思考そのものの性質が変化する。口承文化では、語り手と聞き手の間に直接的な相互作用があり、文脈や状況に応じて内容が微妙に変化していく。一方、文字文化では、一度書かれた文章は固定され、読み手は書き手の不在のもとでテキストと向き合うことになる。
　この変化は、人間の認識能力にも深い影響を与えた。文字を読むという行為は、線形的で論理的な思考を促進する。文章は左から右へ、上から下へと順序立てて読まれ、論理的な構造が重視される。また、文字による抽象化は、具体的な経験から離れた概念的思考を発達させ、哲学や科学的思考の基盤を提供した。
　現代のデジタル時代においても、文字の本質的な機能は変わらない。むしろ、電子メディアの普及により、文字による情報伝達の重要性は増している。ただし、ハイパーテキストやマルチメディアの登場により、従来の線形的な文字文化に新たな次元が加わりつつあることも事実である。

A. 本文から論理的に考えて、設問文は明らかに正しい。
B. 本文から論理的に考えて、設問文は明らかに間違っている。
C. 本文の内容だけからでは、設問文が正しいか間違っているかは判断できない。

設問

1. 文字の発明により、知識の蓄積と伝承が飛躍的に発展し、文明の基盤が築かれた。

2. 口承文化では文脈や状況に応じて内容が変化するが、文字文化では内容は完全に固定されて変化しない。

3. 文字を読む行為は線形的で論理的な思考を促進し、哲学や科学的思考の基盤を提供した。

4. デジタル時代の到来により、文字による情報伝達の重要性は減少している。

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編集者Yuka

2021年7月に入社し、CareerMineをはじめとする就活メディアの編集を手掛ける。以前は広告代理店でメディアプランナーとして、広告やキャンペーンの企画を担当。『玉手箱対策問題集』では掲載している記事のチェック、編集、ライター管理、コンテンツ制作などを行ってる。また自身もライターとして記事執筆も担当。

監修者gen

1990年生まれ。大学卒業後、東証一部上場のメーカーに入社。その後サイバーエージェントにて広告代理事業に従事。現在はサイバーエージェントで培ったWEBマーケの知見を活かしつつ、CareerMineの責任者として就活生に役立つ情報を発信している。また自身の経験を活かし、学生への就職アドバイスを行っている。延べ1,000人以上の学生と面談を行い、さまざまな企業への内定に導いている。

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