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論理的読解(人文系の文章)- 問題78

問題

次の文章を読み、設問1つ1つについてA・B・Cのいづれに当てはまるか答えなさい。

 「思」という漢字が示すように、思考は人間の最も根本的な営みの一つである。しかし、思考とは一体何なのだろうか。古代ギリシアの哲学者デカルトが「我思う、ゆえに我あり」と述べたように、思考する主体としての「我」の存在は、思考という行為そのものによって証明される。つまり、思考は単なる精神的活動ではなく、自己の存在を確認する根拠でもあるのだ。
 現代の認知科学では、思考を情報処理の過程として捉える見方が主流となっている。この観点によれば、思考は外部からの情報を受け取り、それを既存の知識と照合し、新たな判断や結論を導き出すプロセスである。しかし、このような機械的な情報処理モデルだけでは、創造性や直感といった人間特有の思考の側面を十分に説明することはできない。
 一方で、東洋思想においては、思考を「心」の働きとして理解する傾向がある。禅仏教では「無心」という境地が理想とされ、論理的思考を超えた直観的な理解が重視される。これは西洋的な合理主義的思考とは対照的なアプローチであり、思考の多様性を示している。
 現代社会では、人工知能の発達により、思考の本質について新たな問いが生まれている。機械が人間のような思考を行うことは可能なのか。思考とは計算可能な処理なのか、それとも意識や感情と不可分な人間固有の現象なのか。これらの問いは、思考の定義そのものを問い直すものである。
  • A. 本文から論理的に考えて、設問文は明らかに正しい。
  • B. 本文から論理的に考えて、設問文は明らかに間違っている。
  • C. 本文の内容だけからでは、設問文が正しいか間違っているかは判断できない。

設問

1. デカルトの「我思う、ゆえに我あり」という言葉は、思考する行為によって自己の存在が証明されることを示している。
2. 現代の認知科学では、思考は創造性や直感も含めて完全に情報処理として説明できるとされている。
3. 禅仏教における「無心」の境地は、西洋的な合理主義的思考とは正反対のアプローチを示している。
4. 人工知能の発達により、機械による思考が人間の思考能力を既に上回っている分野が多数存在する。
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author-icon編集者Yuka
2021年7月に入社し、CareerMineをはじめとする就活メディアの編集を手掛ける。 以前は広告代理店でメディアプランナーとして、広告やキャンペーンの企画を担当。 『玉手箱対策問題集』では掲載している記事のチェック、編集、ライター管理、コンテンツ制作などを行ってる。また自身もライターとして記事執筆も担当。
author-icon監修者gen
1990年生まれ。大学卒業後、東証一部上場のメーカーに入社。その後サイバーエージェントにて広告代理事業に従事。 現在はサイバーエージェントで培ったWEBマーケの知見を活かしつつ、CareerMineの責任者として就活生に役立つ情報を発信している。 また自身の経験を活かし、学生への就職アドバイスを行っている。延べ1,000人以上の学生と面談を行い、さまざまな企業への内定に導いている。
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