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論理的読解(人文系の文章)- 問題15

問題

次の文章を読み、設問1つ1つについてA・B・Cのいづれに当てはまるか答えなさい。

 理性という概念は、西洋哲学において長らく人間の本質的能力として位置づけられてきた。古代ギリシャの哲学者プラトンは、理性を感情や欲望を統御する最高の精神的能力として捉え、理性による真理の探究こそが人間の究極的な目標であると主張した。この伝統は近世のデカルトやカントによって継承され、理性は客観的真理に到達するための普遍的な能力として確立された。
 しかし、20世紀に入ると、この理性中心主義に対する根本的な批判が展開されるようになった。フロイトの精神分析学は、人間の行動が無意識的な欲動によって大きく左右されることを明らかにし、理性の支配力に疑問を投げかけた。また、文化人類学の発展により、異なる文化圏では論理的思考の様式そのものが異なることが判明し、理性の普遍性という前提も揺らぎ始めた。
 現代思想においては、理性と感情、論理と直感を対立的に捉えるのではなく、相互補完的な関係として理解する視点が主流となっている。認知科学の研究によれば、人間の判断や意思決定には感情的要素が不可欠であり、純粋に論理的な思考というものは実際には存在しないことが示されている。このような知見は、理性の絶対性を前提とした従来の哲学的枠組みの再検討を促している。
 今日求められているのは、理性の限界を認識しつつも、その有用性を適切に活用する知恵である。複雑化する現代社会においては、論理的分析と直感的洞察、客観的データと主観的経験を統合的に用いることが、より良い判断を下すために必要不可欠となっている。
  • A. 本文から論理的に考えて、設問文は明らかに正しい。
  • B. 本文から論理的に考えて、設問文は明らかに間違っている。
  • C. 本文の内容だけからでは、設問文が正しいか間違っているかは判断できない。

設問

1. プラトンは理性を感情や欲望を統御する最高の精神的能力として位置づけていた。
2. フロイトの精神分析学は理性の支配力を完全に否定した。
3. 認知科学の研究により、人間の判断には感情的要素が不可欠であることが示されている。
4. デカルトやカントの理性観は現代の教育制度に大きな影響を与えている。
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author-icon編集者Yuka
2021年7月に入社し、CareerMineをはじめとする就活メディアの編集を手掛ける。 以前は広告代理店でメディアプランナーとして、広告やキャンペーンの企画を担当。 『玉手箱対策問題集』では掲載している記事のチェック、編集、ライター管理、コンテンツ制作などを行ってる。また自身もライターとして記事執筆も担当。
author-icon監修者gen
1990年生まれ。大学卒業後、東証一部上場のメーカーに入社。その後サイバーエージェントにて広告代理事業に従事。 現在はサイバーエージェントで培ったWEBマーケの知見を活かしつつ、CareerMineの責任者として就活生に役立つ情報を発信している。 また自身の経験を活かし、学生への就職アドバイスを行っている。延べ1,000人以上の学生と面談を行い、さまざまな企業への内定に導いている。
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