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論理的読解(自然科学系の文章)- 問題46

問題

次の文章を読み、設問1つ1つについてA・B・Cのいづれに当てはまるか答えなさい。

 真空とは、物質が存在しない空間のことを指すが、現実には完全な真空を作り出すことは極めて困難である。地球上で人工的に作られる真空は、大気圧の10億分の1程度まで気体分子の密度を下げた「超高真空」と呼ばれる状態でも、1立方センチメートルあたり数万個の分子が残存している。
 一方、宇宙空間は地球上よりもはるかに真空に近い状態にある。銀河系内の星間空間では、1立方センチメートルあたりの水素原子数は平均して約1個程度とされている。しかし、これでも完全な真空ではなく、わずかながら物質が存在している。このような極めて薄い物質密度の環境では、光や電磁波の伝播には影響がないが、宇宙船や人工衛星の軌道計算においては、この微量の物質による抵抗を考慮する必要がある。
 興味深いことに、量子力学の観点から見ると、完全な真空であっても「真空のゆらぎ」と呼ばれる現象が存在する。これは、エネルギー保存則の不確定性により、極めて短時間の間に粒子と反粒子のペアが生成と消滅を繰り返す現象である。この真空のゆらぎは、カシミール効果として実験的に確認されており、真空中に置かれた平行な金属板の間に微弱な引力が働くことが観測されている。
 このように、「真空」という概念は、単純に「何もない空間」ではなく、物理学的には非常に複雑で興味深い性質を持つ状態として理解されている。真空技術の発展は、半導体製造や宇宙開発など、現代科学技術の基盤を支える重要な分野となっている。
  • A. 本文から論理的に考えて、設問文は明らかに正しい。
  • B. 本文から論理的に考えて、設問文は明らかに間違っている。
  • C. 本文の内容だけからでは、設問文が正しいか間違っているかは判断できない。

設問

1. 地球上で人工的に作られる超高真空状態でも、1立方センチメートルあたり数万個の分子が残存している。
2. 銀河系内の星間空間では、1立方センチメートルあたりの酸素原子数は平均して約1個程度である。
3. カシミール効果により、真空中の平行な金属板の間には微弱な引力が働くことが実験的に確認されている。
4. 真空技術は医療機器の製造分野においても重要な役割を果たしている。
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author-icon編集者Yuka
2021年7月に入社し、CareerMineをはじめとする就活メディアの編集を手掛ける。 以前は広告代理店でメディアプランナーとして、広告やキャンペーンの企画を担当。 『玉手箱対策問題集』では掲載している記事のチェック、編集、ライター管理、コンテンツ制作などを行ってる。また自身もライターとして記事執筆も担当。
author-icon監修者gen
1990年生まれ。大学卒業後、東証一部上場のメーカーに入社。その後サイバーエージェントにて広告代理事業に従事。 現在はサイバーエージェントで培ったWEBマーケの知見を活かしつつ、CareerMineの責任者として就活生に役立つ情報を発信している。 また自身の経験を活かし、学生への就職アドバイスを行っている。延べ1,000人以上の学生と面談を行い、さまざまな企業への内定に導いている。
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