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論理的読解(人文系の文章)- 問題46

問題

次の文章を読み、設問1つ1つについてA・B・Cのいづれに当てはまるか答えなさい。

 「小さなもの」への注目は、現代思想における重要な転換点の一つである。従来の西洋哲学では、普遍性や壮大なシステムが重視されてきたが、二十世紀後半以降、微細な差異や局所的な現象に焦点を当てる思考が台頭した。これは単なる視点の変化ではなく、知の在り方そのものの根本的な見直しを意味している。
 この転換を象徴するのが、フランスの哲学者ドゥルーズとガタリが提唱した「リゾーム」の概念である。彼らは、中心を持つ樹木的な思考モデルに対して、無数の小さな結節点が横断的に結びつくリゾーム的思考を対置した。ここでは、小さな要素同士の偶発的な出会いや結合が、予想もしない新しい可能性を生み出すとされる。
 日本の美意識においても、「小さなもの」は特別な意味を持ってきた。俳句における一瞬の情景の切り取り、茶道における細やかな所作、盆栽における宇宙の縮図など、限られた空間や時間の中に無限の深みを見出す感性が育まれてきた。これらは西洋的な拡張志向とは対照的な、凝縮と内省の文化を表している。
 現代のデジタル社会においても、「小さなもの」の重要性は増している。ビッグデータの解析では、個々の微細なデータが集合することで全体の傾向が浮かび上がる。また、SNSでの何気ない投稿や日常の小さな出来事が、時として社会全体に大きな影響を与えることもある。小さなものと大きなものの境界は、もはや明確ではなくなっているのである。
  • A. 本文から論理的に考えて、設問文は明らかに正しい。
  • B. 本文から論理的に考えて、設問文は明らかに間違っている。
  • C. 本文の内容だけからでは、設問文が正しいか間違っているかは判断できない。

設問

1. ドゥルーズとガタリのリゾーム概念は、中心を持つ樹木的思考に対する批判的な代案として提示されている。
2. 日本の美意識における「小さなもの」への注目は、西洋の拡張志向と同じ価値観に基づいている。
3. 現代のデジタル社会では、小さなデータの集合がビッグデータ解析において重要な役割を果たしている。
4. 俳句や茶道などの日本文化は、世界的に見て最も優れた「小さなもの」への美意識を表現している。
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author-icon編集者Yuka
2021年7月に入社し、CareerMineをはじめとする就活メディアの編集を手掛ける。 以前は広告代理店でメディアプランナーとして、広告やキャンペーンの企画を担当。 『玉手箱対策問題集』では掲載している記事のチェック、編集、ライター管理、コンテンツ制作などを行ってる。また自身もライターとして記事執筆も担当。
author-icon監修者gen
1990年生まれ。大学卒業後、東証一部上場のメーカーに入社。その後サイバーエージェントにて広告代理事業に従事。 現在はサイバーエージェントで培ったWEBマーケの知見を活かしつつ、CareerMineの責任者として就活生に役立つ情報を発信している。 また自身の経験を活かし、学生への就職アドバイスを行っている。延べ1,000人以上の学生と面談を行い、さまざまな企業への内定に導いている。
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