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論理的読解(自然科学系の文章)- 問題4

問題

次の文章を読み、設問1つ1つについてA・B・Cのいづれに当てはまるか答えなさい。

 植物の根系は、土壌中の水分や養分を吸収するだけでなく、地上部と地下部をつなぐ重要な通路としても機能している。根は土壌中で複雑なネットワークを形成し、その中を通って水分や栄養素が移動する。この移動経路は維管束と呼ばれ、道管と師管という二つの主要な組織から構成されている。
 道管は根から吸収された水分とミネラルを地上部へ運ぶ通路である。道管の細胞壁にはリグニンという物質が沈着し、細胞の内容物が失われることで中空の管状構造を形成する。この構造により、水分は毛細管現象と蒸散作用による負圧によって効率的に上昇する。一方、師管は葉で光合成によって作られた糖類などの有機物を植物全体に運ぶ役割を担っている。
 興味深いことに、植物の根系は土壌中で他の植物の根や菌類と相互作用を行っている。特に菌根菌との共生関係では、菌類が根の表面や内部に侵入し、植物に水分やリンなどの栄養素を供給する代わりに、植物から炭水化物を受け取る。この共生により、植物は単独では到達できない土壌の深部や狭い隙間からも栄養を獲得することができる。
 さらに、近年の研究では、植物同士が根系を通じて化学物質を交換し、情報を伝達していることが明らかになってきた。この現象は「植物間コミュニケーション」と呼ばれ、病害虫の攻撃や環境ストレスに関する警告信号が、根系のネットワークを介して近隣の植物に伝えられると考えられている。
  • A. 本文から論理的に考えて、設問文は明らかに正しい。
  • B. 本文から論理的に考えて、設問文は明らかに間違っている。
  • C. 本文の内容だけからでは、設問文が正しいか間違っているかは判断できない。

設問

1. 道管は植物の根から吸収された水分とミネラルを地上部へ運ぶ通路である。
2. 師管は根から吸収された水分を地上部へ運ぶ役割を担っている。
3. 菌根菌との共生関係において、植物は菌類から炭水化物を受け取っている。
4. 植物間コミュニケーションによって伝達される化学物質の具体的な種類は特定されている。
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author-icon編集者Yuka
2021年7月に入社し、CareerMineをはじめとする就活メディアの編集を手掛ける。 以前は広告代理店でメディアプランナーとして、広告やキャンペーンの企画を担当。 『玉手箱対策問題集』では掲載している記事のチェック、編集、ライター管理、コンテンツ制作などを行ってる。また自身もライターとして記事執筆も担当。
author-icon監修者gen
1990年生まれ。大学卒業後、東証一部上場のメーカーに入社。その後サイバーエージェントにて広告代理事業に従事。 現在はサイバーエージェントで培ったWEBマーケの知見を活かしつつ、CareerMineの責任者として就活生に役立つ情報を発信している。 また自身の経験を活かし、学生への就職アドバイスを行っている。延べ1,000人以上の学生と面談を行い、さまざまな企業への内定に導いている。
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