tamatebakoロゴ玉手箱対策問題集

論理的読解(人文系の文章)- 問題20

問題

次の文章を読み、設問1つ1つについてA・B・Cのいづれに当てはまるか答えなさい。

 「理」という概念は、古代ギリシャの哲学から現代の科学に至るまで、人類の知的営みの中核を成してきた。理性、論理、合理性といった言葉に表されるように、「理」は感情や直感と対立する冷静な判断力として位置づけられることが多い。しかし、この二元論的な理解は、人間の認識活動の複雑さを見落としている可能性がある。
 現代の認知科学の研究によれば、人間の思考過程において、理性と感情は相互に補完し合う関係にあることが明らかになっている。感情は単なる非合理的な要素ではなく、むしろ適切な判断を下すために必要な情報を提供する機能を持っている。例えば、危険を察知する直感的な恐怖や、他者への共感といった感情的反応は、論理的思考だけでは到達し得ない洞察をもたらすことがある。
 また、科学的発見の歴史を振り返ると、多くの革新的なアイデアは直感的なひらめきから生まれていることがわかる。ニュートンの万有引力の法則やケクレのベンゼン環構造の発見など、後に厳密な論証によって証明された理論の多くは、最初は感覚的な洞察として現れた。このことは、「理」を純粋に論理的なものとして捉える従来の見方に疑問を投げかける。
 したがって、真の「理」とは、論理と直感、理性と感情を統合した総合的な認識能力として理解されるべきかもしれない。現代社会が直面する複雑な問題を解決するためには、このような包括的な「理」の概念が必要とされているのである。
  • A. 本文から論理的に考えて、設問文は明らかに正しい。
  • B. 本文から論理的に考えて、設問文は明らかに間違っている。
  • C. 本文の内容だけからでは、設問文が正しいか間違っているかは判断できない。

設問

1. 本文によると、現代の認知科学の研究では、理性と感情は相互に補完し合う関係にあることが明らかになっている。
2. 本文では、感情は非合理的な要素であり、適切な判断の妨げになると述べている。
3. 本文によると、科学的発見の多くは最初は感覚的な洞察として現れ、後に論証によって証明されている。
4. 本文で提案される新しい「理」の概念は、東洋哲学の伝統的な思想に基づいている。
模試バナー

論理的読解の他の問題

author-icon編集者Yuka
2021年7月に入社し、CareerMineをはじめとする就活メディアの編集を手掛ける。 以前は広告代理店でメディアプランナーとして、広告やキャンペーンの企画を担当。 『玉手箱対策問題集』では掲載している記事のチェック、編集、ライター管理、コンテンツ制作などを行ってる。また自身もライターとして記事執筆も担当。
author-icon監修者gen
1990年生まれ。大学卒業後、東証一部上場のメーカーに入社。その後サイバーエージェントにて広告代理事業に従事。 現在はサイバーエージェントで培ったWEBマーケの知見を活かしつつ、CareerMineの責任者として就活生に役立つ情報を発信している。 また自身の経験を活かし、学生への就職アドバイスを行っている。延べ1,000人以上の学生と面談を行い、さまざまな企業への内定に導いている。
> メッセージを読む