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論理的読解(人文系の文章)- 問題84

問題

次の文章を読み、設問1つ1つについてA・B・Cのいづれに当てはまるか答えなさい。

 現代社会において「数」は単なる計算の道具を超え、私たちの認識や思考を根底から規定する存在となっている。古代ギリシアの哲学者ピタゴラスが「万物は数である」と述べたように、数は物質世界を理解する鍵として位置づけられてきた。しかし、デジタル技術の発達により、この関係はより複雑で深刻な様相を呈している。
 統計やデータによる社会分析が日常化する中で、私たちは無意識のうちに数値的な判断基準に依存するようになった。政治的な世論調査、経済指標、学力テストの偏差値など、あらゆる社会現象が数値化され、その数字が現実を表象するものとして受け入れられている。この現象は「数の暴力」とも呼ばれ、複雑な人間社会の諸相を単純化し、本質を見失わせる危険性をはらんでいる。
 一方で、数学的思考は論理的推論や問題解決において不可欠な能力でもある。科学技術の進歩は数学的モデルなくしては成り立たず、AI や機械学習といった現代の技術革新も数学的アルゴリズムを基盤としている。重要なのは、数を道具として適切に活用しつつ、その限界を認識することである。
 数は客観的な真理を表すものではなく、特定の視点から現実を切り取った一つの表現にすぎない。私たちに求められるのは、数値に惑わされることなく、その背後にある文脈や意味を読み解く批判的思考力である。数と人間の関係を再考することは、現代社会を生きる上で避けて通れない課題といえるだろう。
  • A. 本文から論理的に考えて、設問文は明らかに正しい。
  • B. 本文から論理的に考えて、設問文は明らかに間違っている。
  • C. 本文の内容だけからでは、設問文が正しいか間違っているかは判断できない。

設問

1. 現代社会では、統計やデータによる社会分析が日常化し、私たちは数値的な判断基準に無意識に依存するようになっている。
2. ピタゴラスは数学的思考が論理的推論において不可欠であると主張した。
3. 数値化による社会現象の分析は、複雑な人間社会の本質を見失わせる危険性がある。
4. 数学教育の充実が現代社会の数値依存問題を解決する最も有効な手段である。
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author-icon編集者Yuka
2021年7月に入社し、CareerMineをはじめとする就活メディアの編集を手掛ける。 以前は広告代理店でメディアプランナーとして、広告やキャンペーンの企画を担当。 『玉手箱対策問題集』では掲載している記事のチェック、編集、ライター管理、コンテンツ制作などを行ってる。また自身もライターとして記事執筆も担当。
author-icon監修者gen
1990年生まれ。大学卒業後、東証一部上場のメーカーに入社。その後サイバーエージェントにて広告代理事業に従事。 現在はサイバーエージェントで培ったWEBマーケの知見を活かしつつ、CareerMineの責任者として就活生に役立つ情報を発信している。 また自身の経験を活かし、学生への就職アドバイスを行っている。延べ1,000人以上の学生と面談を行い、さまざまな企業への内定に導いている。
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