論理的読解（人文系の文章）- 問題43

問題

次の文章を読み、設問1つ1つについてA・B・Cのいづれに当てはまるか答えなさい。

　現代社会において、私たちは日々膨大な情報に囲まれて生きている。インターネットの普及により、世界中のあらゆる知識にアクセスできるようになった一方で、情報の真偽を見極める能力がますます重要になってきている。このような状況下で、「思考する」という人間の根本的な営みについて改めて考える必要がある。
　思考とは単に知識を蓄積することではなく、既存の情報を批判的に検討し、新たな視点から物事を捉え直すプロセスである。古代ギリシアの哲学者ソクラテスが「無知の知」を説いたように、真の思考は自らの無知を自覚することから始まる。現代の教育現場でも、暗記中心の学習から思考力を重視した教育への転換が求められている。
　しかし、思考には時間と集中力が必要である。現代人は情報過多の環境で常に刺激にさらされており、深く考える時間を確保することが困難になっている。SNSやスマートフォンの普及により、断片的な情報を瞬時に処理することには慣れているが、一つの問題について時間をかけて熟考する習慣が失われつつある。
　思考力の衰退は、民主主義社会にとって深刻な問題である。市民一人ひとりが複雑な社会問題について自ら考え、判断する能力を持たなければ、健全な民主的意思決定は不可能となる。したがって、現代社会においては、情報を受動的に受け取るのではなく、能動的に思考し続ける姿勢を維持することが重要である。

A. 本文から論理的に考えて、設問文は明らかに正しい。
B. 本文から論理的に考えて、設問文は明らかに間違っている。
C. 本文の内容だけからでは、設問文が正しいか間違っているかは判断できない。

設問

1. 現代社会では情報過多の環境により、人々が深く考える時間を確保することが困難になっている。

2. ソクラテスの「無知の知」は、知識を多く蓄積することの重要性を説いた概念である。

3. 思考力の衰退は民主主義社会の健全な意思決定を阻害する要因となる。

4. 現代の教育現場では、思考力重視の教育への転換が完全に実現されている。

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編集者Yuka

2021年7月に入社し、CareerMineをはじめとする就活メディアの編集を手掛ける。以前は広告代理店でメディアプランナーとして、広告やキャンペーンの企画を担当。『玉手箱対策問題集』では掲載している記事のチェック、編集、ライター管理、コンテンツ制作などを行ってる。また自身もライターとして記事執筆も担当。

監修者gen

1990年生まれ。大学卒業後、東証一部上場のメーカーに入社。その後サイバーエージェントにて広告代理事業に従事。現在はサイバーエージェントで培ったWEBマーケの知見を活かしつつ、CareerMineの責任者として就活生に役立つ情報を発信している。また自身の経験を活かし、学生への就職アドバイスを行っている。延べ1,000人以上の学生と面談を行い、さまざまな企業への内定に導いている。

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