tamatebakoロゴ玉手箱対策問題集

論理的読解(人文系の文章)- 問題40

問題

次の文章を読み、設問1つ1つについてA・B・Cのいづれに当てはまるか答えなさい。

 「動」という概念は、古来より哲学や思想の根本的な問題として議論されてきた。ギリシア哲学においては、ヘラクレイトスが「万物は流転する」と述べ、すべての存在は絶えざる変化の中にあると考えた。一方、パルメニデスは不変の存在こそが真理であると主張し、運動や変化を仮象として退けた。この対立は、後の西洋哲学の発展に大きな影響を与えることとなった。
 東洋思想においても、動と静の概念は重要な位置を占める。中国の道教では、動と静は相互補完的な関係にあり、陰陽の調和として理解される。老子は「動の極は静に帰る」と述べ、激しい動きも最終的には静寂に至るという循環的な世界観を示した。また、仏教における「無常」の思想は、すべての現象が変化し続けることを説き、執着からの解放を促している。
 現代社会において、この「動」の概念は新たな意味を獲得している。グローバル化や情報技術の発達により、人々の生活は加速度的に変化し続けている。しかし、この絶え間ない変化の中で、人間は精神的な安定や静寂を求める傾向も見られる。瞑想やマインドフルネスの普及は、動的な現代社会における静的な価値の再評価と言えるだろう。
 このように、動と静の概念は時代を超えて人間の根本的な関心事であり続けている。現代においても、この古典的な問題は新しい文脈で問い直されており、我々の生き方や価値観に深い影響を与えているのである。
  • A. 本文から論理的に考えて、設問文は明らかに正しい。
  • B. 本文から論理的に考えて、設問文は明らかに間違っている。
  • C. 本文の内容だけからでは、設問文が正しいか間違っているかは判断できない。

設問

1. ヘラクレイトスとパルメニデスは、存在と変化について対立する見解を持っていた。
2. 道教では動と静は対立的な関係にあり、調和することは不可能であると考えられている。
3. 現代社会における瞑想やマインドフルネスの普及は、動的な社会に対する静的な価値の再評価を表している。
4. 仏教の無常思想は、西洋哲学のヘラクレイトス思想よりも歴史的に古い起源を持っている。
模試バナー

論理的読解の他の問題

author-icon編集者Yuka
2021年7月に入社し、CareerMineをはじめとする就活メディアの編集を手掛ける。 以前は広告代理店でメディアプランナーとして、広告やキャンペーンの企画を担当。 『玉手箱対策問題集』では掲載している記事のチェック、編集、ライター管理、コンテンツ制作などを行ってる。また自身もライターとして記事執筆も担当。
author-icon監修者gen
1990年生まれ。大学卒業後、東証一部上場のメーカーに入社。その後サイバーエージェントにて広告代理事業に従事。 現在はサイバーエージェントで培ったWEBマーケの知見を活かしつつ、CareerMineの責任者として就活生に役立つ情報を発信している。 また自身の経験を活かし、学生への就職アドバイスを行っている。延べ1,000人以上の学生と面談を行い、さまざまな企業への内定に導いている。
> メッセージを読む