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論理的読解(人文系の文章)- 問題80

問題

次の文章を読み、設問1つ1つについてA・B・Cのいづれに当てはまるか答えなさい。

 現代社会において、「小さなもの」への注目が高まっている。かつて重要視されていた巨大な建造物や大規模な組織に代わり、個人の日常や身近な出来事、微細な変化に価値を見出す傾向が強まっているのである。この背景には、グローバル化の進展によって画一化が進む中で、人々が固有性や独自性を求めるようになったことがある。
 文学の分野でも、この傾向は顕著に現れている。壮大な歴史小説や社会派の長編作品よりも、日常の些細な出来事を丁寧に描写した短編や、個人の内面を深く掘り下げた作品が注目を集めている。読者は、大きな物語よりも、自分の経験と重なる小さな共感を求めているのだ。これは、情報過多の時代において、人々が消化可能な範囲での深い理解を望んでいることの表れでもある。
 また、技術の発展により、従来は見過ごされていた「小さなもの」が可視化されるようになった。SNSでは個人の些細な日常が共有され、それが社会現象を生み出すこともある。科学技術においても、ナノテクノロジーや分子生物学など、極小の世界への探求が新たな発見をもたらしている。
 このような「小さなもの」への着目は、従来の価値観を根本的に変える可能性を秘めている。量的な拡大や規模の大きさを重視する従来の発想から、質的な深化や細部への配慮を重視する新たな価値観への転換が求められているのである。
  • A. 本文から論理的に考えて、設問文は明らかに正しい。
  • B. 本文から論理的に考えて、設問文は明らかに間違っている。
  • C. 本文の内容だけからでは、設問文が正しいか間違っているかは判断できない。

設問

1. 現代社会では、グローバル化の進展によって画一化が進む中で、人々が固有性や独自性を求めるようになり、その結果として「小さなもの」への注目が高まっている。
2. 文学分野において、読者は壮大な歴史小説や社会派の長編作品よりも、日常の些細な出来事を描いた短編作品を好む傾向にあるのは、情報過多の時代に対する反動である。
3. SNSにおける個人の日常の共有が社会現象を生み出すことは、従来見過ごされていた「小さなもの」が技術発展によって可視化された具体例として本文で紹介されている。
4. 「小さなもの」への着目による価値観の転換は、日本独自の文化的特徴であり、他の文化圏では見られない現象である。
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author-icon編集者Yuka
2021年7月に入社し、CareerMineをはじめとする就活メディアの編集を手掛ける。 以前は広告代理店でメディアプランナーとして、広告やキャンペーンの企画を担当。 『玉手箱対策問題集』では掲載している記事のチェック、編集、ライター管理、コンテンツ制作などを行ってる。また自身もライターとして記事執筆も担当。
author-icon監修者gen
1990年生まれ。大学卒業後、東証一部上場のメーカーに入社。その後サイバーエージェントにて広告代理事業に従事。 現在はサイバーエージェントで培ったWEBマーケの知見を活かしつつ、CareerMineの責任者として就活生に役立つ情報を発信している。 また自身の経験を活かし、学生への就職アドバイスを行っている。延べ1,000人以上の学生と面談を行い、さまざまな企業への内定に導いている。
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