論理的読解（人文系の文章）- 問題79

問題

次の文章を読み、設問1つ1つについてA・B・Cのいづれに当てはまるか答えなさい。

　現代社会において、「理」という概念は多層的な意味を持つ。古来、「理」は物事の本質や道理を表す概念として用いられてきたが、近代以降、科学的合理性という新たな側面が加わった。この変化は、人間の思考様式そのものに根本的な転換をもたらしている。
　伝統的な東洋思想において、「理」は宇宙の根本原理や人間の道徳的規範と密接に関わっていた。朱子学では「理」と「気」の二元論によって世界を説明し、理は永遠不変の原理として位置づけられた。一方、西洋近代の合理主義は、論理的思考と実証的方法を重視し、客観的真理の追求を「理」の本質とみなした。
　しかし、現代においてこの二つの「理」の概念は必ずしも対立するものではない。科学技術の発達により、東洋的な直観的理解と西洋的な論理的分析が融合する場面が増えている。人工知能の発達は、人間の理性的判断の限界を明らかにする一方で、新たな「理」の可能性を示唆している。
　このような状況下で、現代人は多様な「理」の形態を受け入れながら、それらを統合的に理解する必要に迫られている。単一の合理性に依存するのではなく、文脈に応じて異なる理の形態を使い分ける柔軟性が求められているのである。

A. 本文から論理的に考えて、設問文は明らかに正しい。
B. 本文から論理的に考えて、設問文は明らかに間違っている。
C. 本文の内容だけからでは、設問文が正しいか間違っているかは判断できない。

設問

1. 朱子学における「理」は永遠不変の原理として位置づけられている。

2. 西洋近代の合理主義は東洋思想の「理」の概念を完全に否定した。

3. 人工知能の発達は人間の理性的判断能力を向上させる効果をもたらしている。

4. 現代人には文脈に応じて異なる理の形態を使い分ける柔軟性が求められている。

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編集者Yuka

2021年7月に入社し、CareerMineをはじめとする就活メディアの編集を手掛ける。以前は広告代理店でメディアプランナーとして、広告やキャンペーンの企画を担当。『玉手箱対策問題集』では掲載している記事のチェック、編集、ライター管理、コンテンツ制作などを行ってる。また自身もライターとして記事執筆も担当。

監修者gen

1990年生まれ。大学卒業後、東証一部上場のメーカーに入社。その後サイバーエージェントにて広告代理事業に従事。現在はサイバーエージェントで培ったWEBマーケの知見を活かしつつ、CareerMineの責任者として就活生に役立つ情報を発信している。また自身の経験を活かし、学生への就職アドバイスを行っている。延べ1,000人以上の学生と面談を行い、さまざまな企業への内定に導いている。

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