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論理的読解(人文系の文章)- 問題65

問題

次の文章を読み、設問1つ1つについてA・B・Cのいづれに当てはまるか答えなさい。

 言語は単に情報を伝達する道具ではない。それは私たちの思考そのものを形作る力を持っている。ある言語にしか存在しない概念や表現は、その言語を話す人々に独特の認識の枠組みを与える。たとえば、日本語の「間」という概念は、単なる空間的・時間的な隙間を超えて、美的感覚や人間関係における微妙なニュアンスを含んでいる。
 翻訳という行為は、この言語の固有性を浮き彫りにする。完璧な翻訳が不可能なのは、言語がそれぞれ異なる世界観を内包しているからである。翻訳者は単語を置き換えるのではなく、一つの文化的文脈から別の文化的文脈へと意味を移し替える作業を行っている。この過程で、原文の持つ微細なニュアンスが失われることもあれば、新たな解釈が生まれることもある。
 現代のグローバル化の進展により、英語が共通語として機能する場面が増えている。しかし、これは言語の多様性にとって両刃の剣である。一方で異文化間のコミュニケーションが促進されるが、他方で各言語が持つ独自の思考様式や文化的価値が均質化される危険性もはらんでいる。
 言語の保護と発展は、単に語彙や文法の問題ではなく、人類の知的多様性を維持することにつながる。各言語が培ってきた固有の概念や表現は、人間の認識可能性を拡張し、創造的思考の源泉となっているのである。
  • A. 本文から論理的に考えて、設問文は明らかに正しい。
  • B. 本文から論理的に考えて、設問文は明らかに間違っている。
  • C. 本文の内容だけからでは、設問文が正しいか間違っているかは判断できない。

設問

1. 言語は思考を形作る力を持ち、各言語には独特の認識の枠組みが存在している。
2. 翻訳は単語の置き換え作業であり、原文の意味を正確に伝達することが主な目的である。
3. 英語の共通語化は、異文化間コミュニケーションを促進する一方で、言語多様性に負の影響も与えている。
4. 日本語の「間」という概念は、他の言語にも同様の表現が存在し、翻訳可能である。
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author-icon編集者Yuka
2021年7月に入社し、CareerMineをはじめとする就活メディアの編集を手掛ける。 以前は広告代理店でメディアプランナーとして、広告やキャンペーンの企画を担当。 『玉手箱対策問題集』では掲載している記事のチェック、編集、ライター管理、コンテンツ制作などを行ってる。また自身もライターとして記事執筆も担当。
author-icon監修者gen
1990年生まれ。大学卒業後、東証一部上場のメーカーに入社。その後サイバーエージェントにて広告代理事業に従事。 現在はサイバーエージェントで培ったWEBマーケの知見を活かしつつ、CareerMineの責任者として就活生に役立つ情報を発信している。 また自身の経験を活かし、学生への就職アドバイスを行っている。延べ1,000人以上の学生と面談を行い、さまざまな企業への内定に導いている。
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