論理的読解（人文系の文章）- 問題104

問題

次の文章を読み、設問1つ1つについてA・B・Cのいづれに当てはまるか答えなさい。

　「理」という概念は、古代中国の思想において極めて重要な位置を占めている。朱子学では、理は万物の根本原理であり、気という物質的要素と対をなして世界を構成する形而上学的な存在として捉えられた。朱熹は、理は普遍的で永遠不変の原理であり、すべての事物がその本質として理を内包していると説いた。
　しかし、理の概念は時代とともに変化を遂げてきた。近世日本の儒学者たちは、中国の朱子学を受容しながらも、独自の解釈を加えていった。特に荻生徂徠は、理を抽象的な形而上学的概念として捉えることに疑問を呈し、より実践的で具体的な道徳規範として理解すべきだと主張した。彼にとって理とは、聖人が制定した礼楽制度に体現された実用的な原理であった。
　現代においても、理の概念は哲学的思考の重要な要素として機能している。西洋哲学の論理性や合理性と東洋思想の理が対話する中で、新たな理解の地平が開かれつつある。理は単なる論理的整合性を超えて、人間存在の根本的な在り方や世界との関わり方を問う概念として、今なお私たちに深い洞察を与え続けている。

A. 本文から論理的に考えて、設問文は明らかに正しい。
B. 本文から論理的に考えて、設問文は明らかに間違っている。
C. 本文の内容だけからでは、設問文が正しいか間違っているかは判断できない。

設問

1. 朱子学において理は万物の根本原理であり、気と対をなして世界を構成する形而上学的存在として位置づけられている。

2. 荻生徂徠は理を抽象的な形而上学的概念として積極的に支持し、朱子学の理論をそのまま受け入れた。

3. 現代の西洋哲学者たちは東洋思想の理の概念を完全に理解し、統一的な解釈に到達している。

4. 朱熹は理を普遍的で永遠不変の原理と考え、すべての事物がその本質として理を内包すると説いた。

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編集者Yuka

2021年7月に入社し、CareerMineをはじめとする就活メディアの編集を手掛ける。以前は広告代理店でメディアプランナーとして、広告やキャンペーンの企画を担当。『玉手箱対策問題集』では掲載している記事のチェック、編集、ライター管理、コンテンツ制作などを行ってる。また自身もライターとして記事執筆も担当。

監修者gen

1990年生まれ。大学卒業後、東証一部上場のメーカーに入社。その後サイバーエージェントにて広告代理事業に従事。現在はサイバーエージェントで培ったWEBマーケの知見を活かしつつ、CareerMineの責任者として就活生に役立つ情報を発信している。また自身の経験を活かし、学生への就職アドバイスを行っている。延べ1,000人以上の学生と面談を行い、さまざまな企業への内定に導いている。

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