論理的読解（人文系の文章）- 問題82

問題

次の文章を読み、設問1つ1つについてA・B・Cのいづれに当てはまるか答えなさい。

　「形」という概念は、哲学的思考において極めて重要な位置を占めている。プラトンのイデア論において、我々が知覚する個別的な事物は、永遠不変のイデア（形相）の不完全な模倣に過ぎないとされた。この考え方は、現実世界の背後に真の実在としての「形」が存在するという形而上学的な世界観を提示している。
　しかし、アリストテレスはこの師の思想を批判し、形相と質料の結合体として個別的事物を捉える独自の理論を展開した。彼にとって「形」は、事物に内在する本質的な原理であり、質料に働きかけて具体的な存在を実現させる能動的な力であった。この視点は、抽象的な理念の世界と現実世界を分離するプラトンの二元論を克服しようとする試みでもあった。
　現代においても、「形」の問題は様々な分野で議論されている。認知科学では、人間がどのようにして対象の形を認識し、記憶するのかという問題が探求されている。また、文化人類学においては、各文化圏における美的感覚や造形原理の違いが「形」の概念の多様性を示している。このように、「形」という概念は、哲学から科学まで幅広い領域にわたって人間の思考を刺激し続けている根本的な問題なのである。

A. 本文から論理的に考えて、設問文は明らかに正しい。
B. 本文から論理的に考えて、設問文は明らかに間違っている。
C. 本文の内容だけからでは、設問文が正しいか間違っているかは判断できない。

設問

1. プラトンのイデア論では、個別的な事物は永遠不変のイデアの完全な再現であるとされている。

2. アリストテレスは、形相と質料の結合体として個別的事物を理解する理論を提示した。

3. 現代の認知科学における形の認識研究は、プラトンのイデア論を実証的に支持している。

4. 文化人類学の観点から、各文化圏における美的感覚の違いは形の概念の多様性を示している。

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編集者Yuka

2021年7月に入社し、CareerMineをはじめとする就活メディアの編集を手掛ける。以前は広告代理店でメディアプランナーとして、広告やキャンペーンの企画を担当。『玉手箱対策問題集』では掲載している記事のチェック、編集、ライター管理、コンテンツ制作などを行ってる。また自身もライターとして記事執筆も担当。

監修者gen

1990年生まれ。大学卒業後、東証一部上場のメーカーに入社。その後サイバーエージェントにて広告代理事業に従事。現在はサイバーエージェントで培ったWEBマーケの知見を活かしつつ、CareerMineの責任者として就活生に役立つ情報を発信している。また自身の経験を活かし、学生への就職アドバイスを行っている。延べ1,000人以上の学生と面談を行い、さまざまな企業への内定に導いている。

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