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論理的読解(人文系の文章)- 問題33

問題

次の文章を読み、設問1つ1つについてA・B・Cのいづれに当てはまるか答えなさい。

 道徳における「善」の概念は、古来より哲学者たちが探求してきた根本的な問題である。アリストテレスは、善とは人間の本性に適った完全な状態であり、幸福と密接に結びついていると論じた。彼にとって善とは、理性と感情の調和のとれた徳の実現であった。
 一方、カントは善を道徳法則への服従という観点から捉えた。彼は「善意志」こそが唯一無条件に善なるものであると主張し、結果ではなく動機の純粋性に善の根拠を見出した。この立場では、義務感に基づく行為のみが真に道徳的価値を持つとされる。
 しかし、現代社会における善の判断は複雑化している。文化的相対主義の影響により、普遍的な善の基準への疑問が提起され、状況倫理学では文脈に応じた柔軟な判断が重視されるようになった。グローバル化が進む中で、異なる価値体系を持つ社会間での善の概念の調和が重要な課題となっている。
 現代において善を考える際には、個人の自律性と社会的責任のバランスを取ることが求められる。技術の発達により新たな倫理的問題が生じる中、伝統的な善の概念を現代的文脈で再解釈する必要性が高まっている。
  • A. 本文から論理的に考えて、設問文は明らかに正しい。
  • B. 本文から論理的に考えて、設問文は明らかに間違っている。
  • C. 本文の内容だけからでは、設問文が正しいか間違っているかは判断できない。

設問

1. アリストテレスにとって善とは、理性と感情の調和のとれた徳の実現であった。
2. カントは善の根拠を行為の結果に求め、結果の良し悪しによって道徳的価値を判断した。
3. 現代社会では文化的相対主義の影響により、普遍的な善の基準への疑問が提起されている。
4. アリストテレスとカントの善に関する思想は、現代の環境倫理学の発展に直接的な影響を与えている。
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author-icon編集者Yuka
2021年7月に入社し、CareerMineをはじめとする就活メディアの編集を手掛ける。 以前は広告代理店でメディアプランナーとして、広告やキャンペーンの企画を担当。 『玉手箱対策問題集』では掲載している記事のチェック、編集、ライター管理、コンテンツ制作などを行ってる。また自身もライターとして記事執筆も担当。
author-icon監修者gen
1990年生まれ。大学卒業後、東証一部上場のメーカーに入社。その後サイバーエージェントにて広告代理事業に従事。 現在はサイバーエージェントで培ったWEBマーケの知見を活かしつつ、CareerMineの責任者として就活生に役立つ情報を発信している。 また自身の経験を活かし、学生への就職アドバイスを行っている。延べ1,000人以上の学生と面談を行い、さまざまな企業への内定に導いている。
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