論理的読解（人文系の文章）- 問題45

問題

次の文章を読み、設問1つ1つについてA・B・Cのいづれに当てはまるか答えなさい。

　山という存在は、古来より人間の精神世界において特別な意味を持ち続けてきた。それは単なる地形的な隆起ではなく、聖なる空間として、また人間の内面を映し出す象徴として機能してきたのである。日本の文化において山は、神々の宿る場所として崇拝され、修験道や山岳信仰の中核を成してきた。
　しかし、現代社会における山の位置づけは大きく変化している。都市化の進展とともに、山は日常生活から遠ざかり、レクリエーションの対象や観光資源としての側面が強調されるようになった。登山ブームに見られるように、山は自己実現や達成感を得る場として消費される傾向にある。
　このような変化は、山に対する人間の関係性の根本的な転換を示している。かつて山は畏敬の対象であり、人間は山に対して謙虚な姿勢で向き合っていた。ところが現代では、山は征服すべき対象、克服すべき課題として捉えられることが多い。この転換は、自然と人間の関係における近代的な思考の反映でもある。
　山という存在を通して見えてくるのは、人間の自然観の歴史的変遷である。山への向き合い方の変化は、同時に人間の精神性や価値観の変化を物語っている。現代において山の意味を問い直すことは、失われつつある自然への畏敬の念を回復する手がかりとなるかもしれない。

A. 本文から論理的に考えて、設問文は明らかに正しい。
B. 本文から論理的に考えて、設問文は明らかに間違っている。
C. 本文の内容だけからでは、設問文が正しいか間違っているかは判断できない。

設問

1. 現代社会において山は、レクリエーションの対象や観光資源としての側面が強調されるようになっている。

2. 山岳信仰は現代でも日本文化の中核を成し続けている。

3. 登山ブームは自己実現や達成感を求める現代人の心理を反映している。

4. 山に対する現代的な捉え方は、環境保護意識の高まりと密接に関連している。

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編集者Yuka

2021年7月に入社し、CareerMineをはじめとする就活メディアの編集を手掛ける。以前は広告代理店でメディアプランナーとして、広告やキャンペーンの企画を担当。『玉手箱対策問題集』では掲載している記事のチェック、編集、ライター管理、コンテンツ制作などを行ってる。また自身もライターとして記事執筆も担当。

監修者gen

1990年生まれ。大学卒業後、東証一部上場のメーカーに入社。その後サイバーエージェントにて広告代理事業に従事。現在はサイバーエージェントで培ったWEBマーケの知見を活かしつつ、CareerMineの責任者として就活生に役立つ情報を発信している。また自身の経験を活かし、学生への就職アドバイスを行っている。延べ1,000人以上の学生と面談を行い、さまざまな企業への内定に導いている。

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