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論理的読解(人文系の文章)- 問題103

問題

次の文章を読み、設問1つ1つについてA・B・Cのいづれに当てはまるか答えなさい。

 「善」という概念は、人類の思想史において最も根源的な問題の一つである。古代ギリシャの哲学者プラトンは、善のイデアを最高の理念として位置づけ、それが真理と美の源泉であると考えた。一方、アリストテレスは善を人間の幸福と結びつけ、徳の実践を通じて達成される実践的な概念として捉えた。
 東洋思想においても、善は中心的な主題である。孔子は仁を最高の徳とし、他者への思いやりと礼の実践を通じて善なる社会を実現しようとした。また、仏教では慈悲の心が善の根本とされ、一切衆生の苦しみを取り除くことが最高の善行とみなされている。これらの思想は、善が単なる個人の道徳的判断ではなく、社会全体の調和と関わる概念であることを示している。
 現代社会において、善の概念は新たな課題に直面している。科学技術の発達により、従来の倫理的枠組みでは判断しにくい問題が生まれている。遺伝子操作や人工知能の開発などは、人類の福祉向上という善の目的を持ちながらも、同時に予期せぬ危険性をはらんでいる。また、グローバル化の進展により、異なる文化的背景を持つ人々の間で善の基準が衝突することも珍しくない。
 このような状況下で、現代人は善とは何かを改めて問い直す必要に迫られている。普遍的な善の基準を求める一方で、多様性を尊重する相対的な視点も重要である。善の概念は固定的なものではなく、時代と文化の変化に応じて絶えず再考され、更新されていく動的な概念として理解されるべきなのである。
  • A. 本文から論理的に考えて、設問文は明らかに正しい。
  • B. 本文から論理的に考えて、設問文は明らかに間違っている。
  • C. 本文の内容だけからでは、設問文が正しいか間違っているかは判断できない。

設問

1. プラトンは善のイデアを最高の理念として位置づけ、それが真理と美の源泉であると考えていた。
2. 孔子は慈悲の心を最高の徳とし、一切衆生の苦しみを取り除くことを善行の根本と考えていた。
3. 現代社会では科学技術の発達により、従来の倫理的枠組みでは判断しにくい新たな問題が生まれている。
4. 西洋哲学における善の概念は東洋思想よりも実践的で社会性を重視している。
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author-icon編集者Yuka
2021年7月に入社し、CareerMineをはじめとする就活メディアの編集を手掛ける。 以前は広告代理店でメディアプランナーとして、広告やキャンペーンの企画を担当。 『玉手箱対策問題集』では掲載している記事のチェック、編集、ライター管理、コンテンツ制作などを行ってる。また自身もライターとして記事執筆も担当。
author-icon監修者gen
1990年生まれ。大学卒業後、東証一部上場のメーカーに入社。その後サイバーエージェントにて広告代理事業に従事。 現在はサイバーエージェントで培ったWEBマーケの知見を活かしつつ、CareerMineの責任者として就活生に役立つ情報を発信している。 また自身の経験を活かし、学生への就職アドバイスを行っている。延べ1,000人以上の学生と面談を行い、さまざまな企業への内定に導いている。
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