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論理的読解(自然科学系の文章)- 問題9

問題

次の文章を読み、設問1つ1つについてA・B・Cのいづれに当てはまるか答えなさい。

 深海は地球表面の約70%を占める海洋のうち、水深200メートル以下の領域を指す。この深海環境は太陽光が届かない暗黒の世界であり、水圧は海面の数十倍から数百倍に達する。また、水温は4度以下と極めて低く、酸素濃度も海面付近と比べて著しく低い。このような過酷な環境にもかかわらず、深海には多様な生物が生息している。
 深海生物の多くは、光合成に依存できないため、化学合成細菌や海面から沈降してくる有機物を食物連鎖の基盤としている。特に深海底の熱水噴出孔周辺では、硫黄化合物を利用した化学合成細菌が一次生産者となり、独特の生態系を形成している。ここには巨大なチューブワーム、深海性の貝類、甲殻類などが高密度で生息し、陸上とは全く異なる生物群集を構成している。
 深海生物は極限環境に適応するため、特殊な生理機能を発達させている。高水圧に対応するため、体内の気体を含む器官は退化し、代わりに水分や油脂を多く含む組織構造を持つ。また、餌の乏しい環境では、代謝率を極限まで下げて省エネルギーで生活している。一部の深海魚は発光器官を持ち、暗闇の中でのコミュニケーションや餌の誘引に利用している。
 近年の深海探査技術の発達により、深海底には石油や天然ガス、レアメタルなどの鉱物資源が豊富に存在することが判明している。しかし、これらの資源開発は深海生態系に深刻な影響を与える可能性があり、持続可能な利用方法の検討が急務となっている。深海は地球最後のフロンティアとして、科学的価値と経済的価値の両面から注目を集めている。
  • A. 本文から論理的に考えて、設問文は明らかに正しい。
  • B. 本文から論理的に考えて、設問文は明らかに間違っている。
  • C. 本文の内容だけからでは、設問文が正しいか間違っているかは判断できない。

設問

1. 深海の熱水噴出孔周辺では、硫黄化合物を利用した化学合成細菌が一次生産者として機能している。
2. 深海生物は高水圧環境に適応するため、体内の気体を含む器官を発達させている。
3. 深海は水深200メートル以下の領域で、水温は4度以下という低温環境である。
4. 深海の鉱物資源開発が海洋全体の生物多様性に与える具体的な影響範囲は明確に解明されている。
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author-icon編集者Yuka
2021年7月に入社し、CareerMineをはじめとする就活メディアの編集を手掛ける。 以前は広告代理店でメディアプランナーとして、広告やキャンペーンの企画を担当。 『玉手箱対策問題集』では掲載している記事のチェック、編集、ライター管理、コンテンツ制作などを行ってる。また自身もライターとして記事執筆も担当。
author-icon監修者gen
1990年生まれ。大学卒業後、東証一部上場のメーカーに入社。その後サイバーエージェントにて広告代理事業に従事。 現在はサイバーエージェントで培ったWEBマーケの知見を活かしつつ、CareerMineの責任者として就活生に役立つ情報を発信している。 また自身の経験を活かし、学生への就職アドバイスを行っている。延べ1,000人以上の学生と面談を行い、さまざまな企業への内定に導いている。
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