tamatebakoロゴ玉手箱対策問題集

論理的読解(人文系の文章)- 問題30

問題

次の文章を読み、設問1つ1つについてA・B・Cのいづれに当てはまるか答えなさい。

 現代において、時間という概念は私たちの生活を根本から規定している。時計の針が刻む均質な時間は、産業社会の発達とともに社会全体の共通基盤となり、効率性と生産性を重視する価値観を生み出した。しかし、この機械的時間の支配は、人間本来の自然なリズムや内的時間感覚との乖離を生じさせている。
 一方で、文学や芸術の世界では、時間は全く異なる意味を持つ。プルーストの『失われた時を求めて』に見られるような記憶の中の時間は、過去と現在が交錯し、瞬間が永遠に引き延ばされる。このような主観的時間は、客観的な時計時間とは対照的に、感情や体験の質によって伸縮する柔軟性を持っている。
 哲学的観点から見ると、時間の本質をめぐる議論は古代から続いている。アウグスティヌスは「時間とは何か」という問いに対し、「誰も私に尋ねなければ知っているが、説明しようとすると分からなくなる」と述べた。この言葉は、時間が私たちの存在と密接に結びついた根源的な謎であることを示している。
 現代社会では、デジタル技術の発達により時間の感覚がさらに複雑化している。インターネットによる瞬時の情報伝達や、24時間稼働するグローバル経済は、従来の昼夜や季節といった自然の時間サイクルを無効化しつつある。このような変化の中で、私たちは改めて時間の意味と価値について考え直す必要に迫られている。
  • A. 本文から論理的に考えて、設問文は明らかに正しい。
  • B. 本文から論理的に考えて、設問文は明らかに間違っている。
  • C. 本文の内容だけからでは、設問文が正しいか間違っているかは判断できない。

設問

1. 現代社会における機械的時間の支配は、人間本来の自然なリズムとの乖離を生じさせている。
2. プルーストの作品に描かれる主観的時間は、客観的な時計時間と同様に均質で規則的な性質を持っている。
3. アウグスティヌスの時間論は、時間が人間の存在と密接に結びついた根源的な謎であることを示している。
4. デジタル技術の発達により、現代人の平均的な睡眠時間は産業革命以前と比較して大幅に短縮されている。
模試バナー

論理的読解の他の問題

author-icon編集者Yuka
2021年7月に入社し、CareerMineをはじめとする就活メディアの編集を手掛ける。 以前は広告代理店でメディアプランナーとして、広告やキャンペーンの企画を担当。 『玉手箱対策問題集』では掲載している記事のチェック、編集、ライター管理、コンテンツ制作などを行ってる。また自身もライターとして記事執筆も担当。
author-icon監修者gen
1990年生まれ。大学卒業後、東証一部上場のメーカーに入社。その後サイバーエージェントにて広告代理事業に従事。 現在はサイバーエージェントで培ったWEBマーケの知見を活かしつつ、CareerMineの責任者として就活生に役立つ情報を発信している。 また自身の経験を活かし、学生への就職アドバイスを行っている。延べ1,000人以上の学生と面談を行い、さまざまな企業への内定に導いている。
> メッセージを読む