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論理的読解(人文系の文章)- 問題54

問題

次の文章を読み、設問1つ1つについてA・B・Cのいづれに当てはまるか答えなさい。

 「真理」という概念は、哲学において長い間中心的な問題として扱われてきた。古代ギリシアの哲学者プラトンは、感覚的な現象世界の背後に永遠不変のイデア界があり、そこにこそ真の実在があると考えた。一方、アリストテレスは、真理とは「あるものをあると言い、ないものをないと言うこと」であると定義し、より現実的な立場を取った。
 近世に入ると、デカルトは方法的懐疑を通じて確実な知識の基盤を求め、「我思う、ゆえに我あり」という命題にたどり着いた。彼にとって真理とは、明晰判明に認識されるものであり、数学的確実性を持つものであった。しかし、カントは人間の認識能力の限界を指摘し、物自体は認識不可能であり、我々が知りうるのは現象のみであると主張した。
 現代哲学では、真理概念そのものが問い直されている。プラグマティズムは真理を有用性や実用性の観点から捉え直し、ニーチェは「真理への意志」という概念を通じて、真理探求の動機そのものを批判的に検討した。また、ポストモダンの思想家たちは、絶対的真理の存在を疑問視し、多元的な真理観を提示している。
 このように、真理をめぐる議論は時代とともに変遷し、現在もなお哲学の根本問題として探求され続けている。真理とは何かという問いは、人間の認識能力や存在のあり方そのものに関わる深遠な問題なのである。
  • A. 本文から論理的に考えて、設問文は明らかに正しい。
  • B. 本文から論理的に考えて、設問文は明らかに間違っている。
  • C. 本文の内容だけからでは、設問文が正しいか間違っているかは判断できない。

設問

1. プラトンは感覚的な現象世界の背後に永遠不変のイデア界があると考えていた。
2. デカルトは物自体は認識不可能であると主張した。
3. 現代哲学では絶対的真理の存在を疑問視する思想家が現れている。
4. ニーチェの「真理への意志」という概念は現代社会の情報化に対する批判として提示された。
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author-icon編集者Yuka
2021年7月に入社し、CareerMineをはじめとする就活メディアの編集を手掛ける。 以前は広告代理店でメディアプランナーとして、広告やキャンペーンの企画を担当。 『玉手箱対策問題集』では掲載している記事のチェック、編集、ライター管理、コンテンツ制作などを行ってる。また自身もライターとして記事執筆も担当。
author-icon監修者gen
1990年生まれ。大学卒業後、東証一部上場のメーカーに入社。その後サイバーエージェントにて広告代理事業に従事。 現在はサイバーエージェントで培ったWEBマーケの知見を活かしつつ、CareerMineの責任者として就活生に役立つ情報を発信している。 また自身の経験を活かし、学生への就職アドバイスを行っている。延べ1,000人以上の学生と面談を行い、さまざまな企業への内定に導いている。
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